想い出・・・こんな私の足跡

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母の死

無言の帰宅(2) 

ずっと
その日はおかんの側に座っていた。

何時間そうしていたのかわからないが
棺の横に私はずっと座っていた。

おかんが入っていた宗教の地区の偉い方が
ずっと
お経を唱えてくれていた。


聞こえているはずだから・・・・・・。
少しでも安らかに眠って欲しいから・・・・・。


そう言って
その人はおかんの為に
ずっと唱えてくれていた。






その場にいなかった人には
信じてもらえないだろうが

おかんの目が
いつの間にか動いていた。



お経を唱えてくれている人の方に
本当に目が動いていた・・・・。


「見てごらん。
ちゃんと聞こえてるんだね。」とその人が言った。











その時
初めて私はおかんの顔をきちんと見た。



喉元に
甲状腺の手術をした大きな傷跡がある。
おかんがとても気にして
隠していた傷だった。



頬に
大きなホクロがある。
反対側の頬には
歯医者で幼い頃に出来たという傷がある。




そんな事も
忘れていた。



こんなにおかんの顔を
ちゃんと見たのは一体いつぶりだろう・・・・。








そう思った時に
やっと実感した。




棺の中のこの人は
私のおかんだ・・・・・・。






幼い頃
憧れて、とてもキレイだったおかんだ。

私達を育てる為に
女を捨てた母親だった。





こんなに変わり果てた姿の
私のたった一人の
おかんだった。




怖くなった。
おかんじゃない気がしていたから・・・・。
この人はきっと違う人で
おかんじゃないんじゃないか、何て思っていたから。




うずくまりながら
狂った様に泣き叫んだ。
自分の体を
どうすればいいのかわからない位に



顔を手で覆っても
髪の毛をむしる様に掴んでも


その怖さから逃げられなかった。





失うということの怖さを
初めて知った。


父の時には悲しみなど感じなかったから・・・・・





おかんがいる事が当たり前だと思っていたから
どんなに泣き喚いても
震えが止まらなかった。





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